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2015年にナショナルタレント発掘・育成プログラム(NTID)に参加し、カヌースプリントに合格した菅原彩花さん。
彼女にNTID参加後の変化と現在について話しを聞きました。
菅原:簡潔に言うと、東京オリンピックを目指したかったからです。
私は大学時代までずっとバレーボールを10年間やっていて、すごく好きだったんですけど、それでもこの先世界を目指すレベルには到達できないと悟ってしまって…。
そこで、とあるトレーナーさんから「東京オリンピックに出るために競技転向を考えてみないか?」との提案を受けて、日体大の院進学とともに挑戦することを決めました。
菅原:完璧じゃなくていいんだなぁということをまず一番に学びました。
失敗しちゃいけないという思いが今まではずっと強くて…。
例えば、辛いメニューをその日に全てこなせと言われても何回もできなかった時があって、その度に落ち込んで、それでその瞬間に「どうせ今日クリアできない。」って辞めちゃっていたんですよ。
それで、指導者の方から「それではいけない。」ってことを教えられて、それからはできなくてもいいからやり続けよう、できるようになるまで何回でも何回でも挑戦しようっていう思考に変わりました。
菅原:選考合宿が終わると同時に、まず一回目の全日本選手権に出場したんですが、そこでは勝つことができませんでした。
それから気付いたことは、私は選考中にはまず乗れるようになっただけだったんですね。
4月に入って選考通過してからは、今度は早くなるために具体的にメートル走をしっかりつくってタイムをどんどん伸ばしていくというトレーニングに変わっていきました。
元々あったものが活かされた部分から言うと、下半身ですね。
バレーボールってレシーブとかするじゃないですか、だから元々下半身は強かったんですよ。私が今とる姿勢は女子カナディアンの姿勢なので、立膝で2~3時間同じ姿勢をとっていないといけないので、結構苦戦する人も多いらしいんですけど、私はその部分はバレーボールに助けられた部分も少しはありました。
逆にこのNTIDを通して強くなったのは上半身ですね。特に…背中と胸筋だとか…あと体幹ですね。
もう、体幹が無いと何にもできないってことに気付きました。
体幹が無いとスコアも出なければ、なにも持ち上げられないし漕げないので、体幹が成長したのかなって思います。
菅原:お恥ずかしい話、3月の大会に負けてから、数か月ずっと落ち込んでいたんですよ。あれだけ頑張ったのに誰にも勝てなかったんだと落ち込んでしまって…それで、まだ始まってもいなかったのにこのまま誰にも勝てないんじゃないかとすごく後ろ向きになっていたんですけど、7月くらいに、とある他のカナディアンの女の子に勝負を持ち掛けられまして…。そこでも私はまだ後ろ向きで、また負けちゃったらどうしようって思っていたんですけど、勝てたんですよ。
初めて誰かに勝って、やっと自分の今やっていることに自信が持てるようになりました。
それからは、一回一回のトレーニングの量と質両方求めるようになっていきました。
違いますね。全然、違うと思います。
菅原:まずは全日本チャンピオンになることです。
今度の3月に行われる全日本選手権でまずは日本一になることによって、今度は世界の強豪と戦って、そこで4年後の最終目標である東京五輪につなげられたらと思っています。
この間のリオオリンピックでは羽根田選手が初めてカヌー界史上初のメダルを取ったので、今度はカヌースプリント界で初のメダルを取りたいという思いはとても強いです。
試合に出るごとに日に日に自分の持っている最終目標がより現実味を帯びてきました。まだまだ遠くのほうにありますが、それでも着実にリアルになってきています。
昔の自分からは到底そんな言葉なんて出なかったんじゃないかなって…想像もしなかったって本気で思います。
菅原:NTIDとは新しい世界につながる扉です。
このNTIDのトライアウトを通して私は今の競技環境に至っている…そう言って間違いないと思うので、もうキッカケ…というか扉ですね。そこから今新しい世界が拓かれている最中かなって思います。
中学から大学まではバレーボール部に所属していましたが、2015年にNTID種目最適(転向)型プログラムに参加し、カヌースプリントに合格しました。彼女は、現在、中央競技団体のナショナルコーチのもとで2020年東京オリンピック競技大会に向けてトレーニングを積んでいます。 彼女がメダル獲得をねらっているC-1 200mは、東京オリンピック競技大会で新規採用される種目です。