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必要な睡眠の量は人それぞれですが、一般成人の睡眠時間は7~9時間、子ども(14~17歳)の睡眠時間は8~10時間が求められていると一般的に言われています。睡眠全体の75%を占めるノンレム睡眠は、主に筋肉や骨の成長と修復に、睡眠全体の25%を占めるレム睡眠は主に神経機能に働き、記憶の定着や運動スキルの獲得に影響を与えます。アスリートにとっても睡眠は、コンディショニングの中でもトレーニングや競技大会への準備やリカバリー(疲労回復)手段として必要不可欠な生活習慣です。
イギリスの研究グループ(Leederら、2012)によると、トップアスリートの平均睡眠時間は、6時間55分±43分と一般成人と比べて変わらない、と言われています。日本人アスリートの平均睡眠時間も7時間前後だということが分かっています。
睡眠の質に関しては、主要な競技大会前にトップアスリートの睡眠の質が低下する傾向が見られます。その原因として大会のことを考えて緊張したり、普段と違う環境や騒音等に悩まされることが考えられます。睡眠不足によるパフォーマンスの影響については、まだ分かっていないことも多いですが、睡眠不足が一部のパフォーマンスに悪影響を与えうる十分な証拠はあるように思われます。
普段よりも睡眠時間を長くとる「睡眠延長」によるパフォーマンスへの影響を調べた研究はまだまだ少ない状況です。しかし、アメリカの研究グループ(Mahら、2011)によると、普段の平均睡眠時間が7時間弱のバスケット競技を行う学生アスリートが3週間にわたって普段より2時間弱睡眠時間を延長すると、バスケットボールの競技パフォーマンス(フリースローやスリーポイントの成功率等)が上がることも分かってきています。
日中の眠気が気分やパフォーマンスに悪影響を与えることから、日中の昼寝(例:15~30分)をとることで、眠気を抑えて覚醒の度合いやスプリント能力等のパフォーマンスが向上することも分かっています。しかし、昼寝時間とそのタイミングは、夜間の睡眠に悪影響を与えない程度でとることが望ましいと言われています。
アスリートにとって睡眠は、眠気やパフォーマンスにも大きな影響を与える、リカバリーの重要な手段の一つです。特に、十分な夜間睡眠と短い仮眠(昼寝)の組み合わせが睡眠の量と質を確保するために重要です。良質な睡眠をとるために必要なことは以下のとおりです。
最高のパフォーマンスが発揮できるよう、良質な睡眠をとる生活習慣を身につけましょう!
その他、各競技団体・アスリートの皆様にご活用いただけるような各種情報がハイパフォーマンススポーツセンターのウェブサイトに掲載されております。各種エクササイズも紹介されております。合わせてご参照ください。