スポーツ科学

「いつでも賢く食品を選ぶ"表示"活用術」
日本スポーツ振興センター

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正しい選択を続けるために

 目的に応じた適切なタイミング、適切な内容の食事は、理想的な身体の獲得や、トレーニングや試合におけるパフォーマンスの向上、ケガのリスクの低減などと密接に関係します。そのため、食事のたんぱく質を多めに摂る、運動後に糖質を摂る、といった栄養素に関することや、摂取カロリーに関することなど、食事に関して各自で心がけている事があるのではないでしょうか。 外出先で食品を選ぶ必要がある場面(コンビニエンスストアでの買い物など)では、初めて見る食品を含めたたくさんの食品の中から自分の目的に合ったものを選択する必要があります。正しい選択のために、それぞれの食品の栄養素や、食品に何が含まれているのかといった情報として食品表示(食品の内容を正しく理解し、選択する上で重要な情報)、栄養成分表示(カロリーや栄養素に関する情報)を確認する習慣をつけましょう。

まずは、食品表示を見てみよう

 食品表示とはその食品の原材料(入っている量が重いものから順に記載されている)やそれらに含まれるアレルゲン、その食品に含まれる栄養素の量、賞味期限または消費期限などに関する表示のことです。これらを確認することによって商品同士の比較や、摂り過ぎに注意したい脂質、砂糖の量の確認などを行うことができます。  食品表示は多くの場合、食品のパッケージの中でも目立たない場所にありますが、それとは別に、パッケージに大きな文字で栄養に関する記載がされている場合があります(「低カロリー」「脂質オフ」など)。消費者の行動を調査した研究では、買い物の際、パッケージのオモテ面にこのような記載がある商品を買う人は食品表示を確認しない傾向にあることが分かっています。しかし多くの場合、それらは一つの栄養素に関する記述です。例えば"低脂質"と表示されている食品には砂糖が多く含まれている場合があり、本当にその食品で良いのか、これらの情報も含めて検討する必要があります。また、"カルシウムたっぷり""糖質オフ"などの表示だけでは具体的にどれくらいの量が入っているのか分かりません。正しい選択のためには栄養成分表示を確認する必要があるのです 。

次に、栄養成分表示を確認しよう

 栄養成分表示は、購入後すぐに食べられる状態で売られている多くの食品(加工食品)における栄養素の量に関する情報が記載されている表示のことです。また、レストランによってはメニューやウェブサイトに栄養成分が表示されている場合があります。食品を選ぶ際、まずはこの栄養成分表示を確認すると良いでしょう。 このとき、表示されている栄養素の量がその食品のどれくらいの量に対するものであるか確認する必要があります。表示の単位は一食あたり、100gあたり、一包装あたりなど様々です。例えば、内容量が150gの食品の栄養成分表示に「100gあたり」と記載されていた場合、その食品を全て食べると栄養成分表示に書かれている量の1.5倍(150g/100g)の量を摂取する事となります 。

最後に、自分で考えて食品を選ぼう

 栄養成分表示に必ず記載されているのは熱量(カロリー)、たんぱく質、脂質、糖質、ナトリウムの5項目です(2018年12月現在)。しかし、例えば糖質と言っても様々な種類があります。糖質を多く含んだ食べ物であっても、例えばそれが運動後に適しているか判断するには自分の知識が必要です。脂質にもいくつかの種類があり、それぞれが身体にとって重要な役割を担っているため、単に脂質の量を抑えるのではなく、正しい情報を元に判断する必要があります。また、塩分以外のミネラルやビタミンは表示されていないこともあるので、豊富に含まれている食品を頭に入れておくと良いでしょう。世の中には食品や食べ方に関する情報だけでも、様々な情報であふれています。中にはアスリートには向かない食べ方や栄養成分もあります。正しい情報であるかを判断するには、高度な知識が必要になる場面もあります。正しいかどうかの判断がつかない場合には、近くの公認スポーツ栄養士や管理栄養士などの専門家に相談しましょう

食品の"表示"活用に向けた実践的提言

 まずは、自分がいつ、何をどれくらい食べるべきかの戦略を立てておくことが最も重要です。目的に応じて、積極的に摂りたい栄養素、摂り過ぎに注意したい栄養素や原材料を明確にしておきましょう。食品を選択する際には栄養成分表示を始めとする食品表示を確認する習慣を身に付け、さらに栄養の知識を積み上げることで、正しい情報に基づいた選択を続けましょう。